2017年5月22日月曜日

夫婦の絆


そわそわして、いてもたってもいられない
ご飯も喉を通らず、大好きなタバコを吸うのさえ忘れてしまっていたというご主人。

ある日の午後、奥さんからの連絡を受けて、
待ってました!とばかりに、汗をかきながら病院に駆けつけてくれたご主人は
まさに朝からなにも食べられず、お昼も抜きのまま奥さんの元へ駆けつけてくれました。

父になる時を今か今かとずっと待ち続けていた優しいご主人は、
時間を忘れて痛がる奥さんの腰をさすっていました。
血を見るのは苦手、奥さんの苦しそうな姿など今まで見たこともないそんな中、
我を忘れて付き添い、汗を拭いたり励ましたりしていました。

思っていたより陣痛が強くなりきれず、
分娩も思うように進まず、時間だけが過ぎていきました。
私たちは、この先いかに楽に短時間にストレスなく生める方策を
あれこれ考えていました。

そのかたわら、ただただ無心に妻を励まし汗を拭いていたご主人。
固く握りあった手は、妻とお腹の子の無事を祈る夫婦の絆で固く結ばれ、
とにかく前へ前へと進む勢いの強さを感じました。

陣痛の合間、時に意識が遠のきながらもご主人の声かけにハッと目を覚ます、
差し出された水を口に含んで我にかえる、

とかく初産のお産は、
たった数センチ頭が下がってくればすんなりうまれるところまで来ていても
そのわずかな距離を進むのに時間を要してしまうもの。

医学的に必要とあれば、薬を使ったり処置を適切に行いながら安全にお産へと導く中で、
ご主人の励ましやフォローは、それらでは補えない不思議な力を発揮してくれました。

「夫婦の絆」

きっと二人にしか知りえない不思議なパワーがみなぎる瞬間。
無事に赤ちゃんをその胸の上に迎えることができた二人は
この瞬間、素敵な父となりそして母となりました。



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